天皇陛下の退位と即位に伴う令和への改元に乗じたニセ電話詐欺や悪質商法が、県内で相次いで確認されている。三月には成田市の高齢者が現金をだまし取られる被害も発生しており、県警などが注意を呼び掛けている。

 県警によると、三月八日午前十一時ごろ、成田市の九十代男性宅に銀行協会の職員を名乗る男から電話があった。男は「元号が変わるとキャッシュカードのチップが三個に増え、チップが一個だけのカードは使えなくなる」などと説明。「新しいカードに交換するには口座番号、暗証番号が必要」と偽り、男性の暗証番号を聞き出した。

 男性は約一時間後に訪れた銀行協会の職員を名乗るスーツ姿の男にキャッシュカード三枚を手渡した。男性は詐欺を疑い、数時間後に金融機関に確認したが、二つの口座から計二十三万六千円が何者かに引き出されていた。県警は詐欺事件として捜査している。

 天皇陛下の退位・即位を巡り、関連商品を送り付ける悪質商法も確認されている。千葉市消費生活センターによると、今年一月以降、千葉市の八十代女性が住む二軒に「天皇陛下の退位に伴い、皇室のアルバムを買いませんか」などと相次いで勧誘電話があった。値段は三万五千~六千円ほどで女性らは断ったが、一軒には後日、アルバムと分割払い用の振込用紙が送り付けられてきたという。

 県消費者センターによると、昨年夏ごろ「天皇陛下の退位に伴い、叙勲受章者名簿に掲載する」として、県内在住者に一万円の振込用紙が届くという手口も確認されているという。

 県警生活安全総務課の担当者は「電話でお金やキャッシュカードの話が出たら詐欺だと思ってほしい」と注意喚起。その上で「留守番電話設定にしたり、迷惑電話対策のサービスを利用するなど犯人と直接話さないことが重要だ」と話す。

 千葉市消費生活センターの担当者は「いらないものはきっぱりと断ることが大切」と呼び掛けている。 (山口登史)

 
出典:東京新聞(2019/4/29)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201904/CK2019042902000132.html