ニセ電話詐欺対策で、県警が二〇一七年度に始めた固定電話用の自動通話録音警告機の貸し出しが三年目を迎え、本年度は八月からの二カ月で予定台数(四百台)の九割に達した。被害は依然多く、半数以上は自宅の固定電話にニセ電話がかかり、高齢者らがだまされるケース。既に設置している世帯は「入り口」で被害の芽を摘む必要性を実感している。

 大垣市静里町の静里町鎌倉自治会長、上久保昭さん(81)は昨年夏、県警に借りた警告機を自宅に取り付けた。「受話器を取ると何も言わないのに、置くとまた鳴る無言電話や『証券買わないか』という嫌な電話もなくなった。この地域で(警告機が)普及しているとうわさになれば、詐欺にも効くのでは」と話す。

 呼び出し音の前に「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動的に録音されます」とメッセージが流れ、その後、呼び出し音が鳴り会話の録音が始まる。上久保さん宅では、設置後の一年余りで約千二百七十件の着信があり、うち26%の約三百三十回はメッセージの段階で切れた。

 今年八月末現在、県内ではニセ電話詐欺の被害が八十件に上り、54%は固定電話にかかってきた連絡がきっかけだった。県警によると「キャッシュカードが偽造されている。確認させてほしい」と電話があり、警察や金融機関の職員を名乗る人物が自宅を訪れ、カードを持ち去ったりする手口が増加。被害者は高齢者がほとんどという。

 ニセ電話があっても、直接話さなければ被害のリスクは大幅に減る。県警生活安全総務課の担当者は「固定電話だと家にいることも分かってしまい、次のステップに被害がつながりやすい。不審な電話は受けないのが一番のポイント」と活用を呼び掛ける。

 県警は一七年度~本年度に計九百七十五台の貸し出しを計画。貸出期間は原則二年だが、希望に応じて継続できる。最寄りの警察署で受け付けている。

出典:中日新聞(2019/10/9)
https://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20191009/CK2019100902000033.html