大分など全国9都県で高齢者宅からキャッシュカードを持ち去り、現金自動預払機(ATM)から計3千万円以上を引き出したとして、窃盗などの罪に問われた東京都出身で住所不定、無職斎藤紀彦被告(45)に対し、大分地裁は31日、懲役4年6月(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。有賀貞博裁判官は「悪質性の高い犯行を広域かつ多数回にわたり繰り返した。被害も高額だ」と指摘した。
 被告は特殊詐欺グループの一員。公判で罪を全て認めた。共犯者の指示で金融庁職員になりすまして高齢者宅を訪問し、封筒にキャッシュカードを入れさせ、別の封筒とすり替えて盗む手口を繰り返したと明かした。
 有賀裁判官は判決理由で「組織の中では下位の立場だが、金欲しさからネットで検索した上で加担した。多額の報酬も得ており強く非難されるべき」と述べた。
 判決によると、氏名不詳者と共謀。2018年9~11月、大分、福岡、愛知、東京などの各都県でカード60枚を盗み、ATMから計3498万円を引き出した。この他、愛知県内で偽札の混入確認を名目に高齢女性から現金300万円をだまし取ったとして詐欺罪でも有罪となった。

出典:大分合同新聞(2020/4/1)
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2020/04/01/JD0059109041