新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、京都府内で犯罪の発生件数が減少している。府警によると、外出自粛で街を出歩く人が減った影響で、特に自転車盗などの街頭犯罪が少なくなった。一方、在宅する高齢者らを狙った特殊詐欺の不審電話は増えており、コロナ禍に便乗した手口で高額被害も出た。府警は「政府の給付金を装った詐欺や、悪質商法にも警戒してほしい」と呼び掛けている。

 府警によると、1~3月の府内の刑法犯認知件数は3175件で前年同期より14・5%減った。自転車盗や車上狙いなどの減少が目立ち、暴行や性犯罪も少なくなった。新型コロナウイルスの感染が広がった3月以降に大きく減っており、府警犯罪抑止対策室は「外出を控える人が増え、犯人から見ればターゲットが少ない状況なのでは」とみる。
 3~4月の110番受理件数(3万7494件)も前年同期比で17・7%減。特に京都市東山区の繁華街・祇園が管内にある東山署では41%減っており、同署幹部は「酔客同士のけんかなど事件につながるトラブルが少なくなった」と語る。
 3~4月の交通人身事故の発生件数も732件にとどまり、前年より2割少なくなった。観光バスや自家用車の交通量減少が原因とみられる。
 一方、4月以降に増えたのが特殊詐欺の不審電話だ。1カ月間で318件(速報値)あり、前年4月の197件を大きく上回った。同月14日には、北区の80代夫婦が「友人がコロナになり、お金が必要になった」と息子を名乗る男から電話を受け、1千万円をだまし取られた。国の給付金手続きを装った電話やメールも相次いでおり、府警は銀行口座やクレジットカード番号などの個人情報を盗み出そうとする手口とみて注意を促している。
 このほか府内では自宅に大量のマスクを送り付ける悪質商法や、臨時休業中の店舗を狙った空き巣被害も確認された。入澤今日子犯罪抑止対策室長は「各家庭で防犯対策を再確認してほしい。休業する店舗や会社には事務所に現金を保管しないよう呼び掛けていく」と話している。

出典:京都新聞(2020/5/22)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/247322