県内で2019年に特殊詐欺の被害に遭った97人の7割以上が「自分はだまされない」と考えていたことが、県警のアンケート調査で分かった。この回答をした被害者のうち67%が「見破る自信があった」とも答えた。家族や親族をかたるオレオレ詐欺の被害者19人のうちでは、79%が手口を知りながら被害に遭っていた。

調査は被害を届け出た125人のうち、協力が得られた97人(60歳以上が80人)から回答を得た。被害に遭う前の詐欺への意識を聞いた設問(重複回答)では、自分はだまされないと考えていたと回答したのが75%の73人で「詐欺について考えたことがなかった」としたのは24%の23人だった。

だまされないと考えていたと回答した被害者に理由を尋ねた設問で、見破る自信があったとしたのは49人。「その他」として回答された内容には「自分には関係ないと思っていた」「まさか、電話が掛かってくるとは思わなかった」などがあった。

手口別の認識に関して聞くと、親族などをよそおうオレオレ詐欺の他に、還付金詐欺の被害者の75%が手口を知りながら被害に遭った。一方で、警察官や家電量販店職員などをかたるオレオレ詐欺の被害者の認識は34%、有料サイトの利用料金名目の架空請求は45%にとどまった。

県警生活安全企画課は「だまされないと思っていたり、手口を知っていても被害に遭う可能性があるという危機感を持ってほしい。認識が広がっていない手口もあることから、具体的な手口を周知する対策をしていきたい」としている。

出典:長野日報(2020/5/25)
http://www.nagano-np.co.jp/articles/62622