気象予報士が天気予報のようにニセ電話詐欺への注意を呼び掛けるユニークな動画「サギ防犯予報」を県警が作成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」の県警防犯チャンネルで公開している。(土屋晴康)
 「サギ電話が多発することにより、ところにより雲行きが怪しくなりそうです」「現在、神奈川県内に詐欺の電話が多数かかってきているので、警報が発表されました」
 話しているのは、警察官の制服姿の気象予報士、穂川果音(かのん)さん(34)。気象にまつわる言い回しや天気予報の用語を交え、詐欺の具体的な手口を紹介したり、迷惑電話防止機能のある機器の設置などの対策を呼び掛けたりする。一分五十八秒の長編と、二十二秒の短編二本がある。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、高齢者向けの防犯講話など啓発活動をしにくい状況が続いており、県警はユーチューブや会員制交流サイト(SNS)での活動に力を入れる。ネット動画に親しむ子どもや孫世代が詐欺について理解を深め、身近な高齢者に伝えてもらおうと、気象情報会社「サニースポット」(横浜市中区)と穂川さんの協力を得て作成した。
 出演した穂川さんは「詐欺事件の被害がなくならない。動画を見た人が身近な高齢者に声をかけて、詐欺被害が減ってくれたらうれしい」と話した。
 
出典:東京新聞(2020/8/4)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/46867