特殊詐欺で被害者から直接金品を受け取る「受け子」らをSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で募集する動きを食い止めようと、埼玉県警はツイッターに専用アカウントを開設し、注意喚起を始めた。「受け子」「闇バイト」などのハッシュタグ(検索目印)が含まれる投稿に「犯罪の実行犯を募集する不適切な書き込みのおそれがあります」などの警告を返信。安易な気持ちで詐欺に加担する人を減らす狙いだ。

 県警特殊詐欺対策室によると、県内では2020年、受け子など特殊詐欺に関連した105人(6月末時点)を検挙。うち約4割の42人が「SNSで知った」という趣旨の供述をしていた。詐欺グループの末端で摘発されやすい受け子を広く匿名で勧誘する目的でSNSが利用されているとみられる。小遣い稼ぎの動機で、SNSで簡単に探せる受け子に手を染めてしまうケースもあり、県警は閲覧者に、警告文の返信を通じ重大な犯罪であることを伝える。

 また、検挙された105人のうち75・2%に当たる79人が10~20代の若年層だった。対策室の担当者は「SNSの中でもツイッターは誰でも投稿を見られる特徴がある。実行犯を募集する側だけでなく、希望する人にとっても検索しやすい」と話す。

 同様の取り組みは、愛知、茨城県警なども実施している。埼玉県警は不適切な投稿への注意喚起だけでなく、詐欺の手口紹介など防犯情報も発信する予定という。【平本絢子】

出典:毎日新聞(2020/8/26)
https://mainichi.jp/articles/20200826/k00/00m/040/049000c