新型コロナウイルスの感染拡大で収入が減った人を支援する東京都の社会福祉協議会(社協)の貸付金をだまし取ったなどとして、警視庁は神戸山口組系元組員で解体作業員、満潮(みつる・うしお)容疑者(65)=大田区西蒲田5=を詐欺と詐欺未遂容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。同庁は暴力団の資金源になった可能性もあるとみて調べる。

 捜査関係者によると、逮捕容疑は5~7月、組員だったことを隠して都社協に虚偽申請し、「緊急小口資金」20万円をだまし取り、「総合支援資金」についても3カ月分計45万円をだまし取ろうとしたとしている。容疑を否認しているという。

 いずれも失業などで生活に困窮した世帯への特例として社協が設けた無利子の貸付金で、組員でないことや新型コロナの影響で減収したことなどが条件となっている。警視庁は、満容疑者が申請当時は組員で、解体作業員として一定の収入があったとみている。

 全国社会福祉協議会によると、特例貸付金は、3月25日~9月5日、全国で約104万件、約3342億円が貸し付けられた。担当者は「迅速に支給するために提出書類も最低限にしている。反社会的勢力かどうかを細かくチェックするのは難しい」と明かす。警視庁は制度の隙間(すきま)が狙われたとみている。

 関係者によると、新型コロナウイルスで生活に困った人を対象とする各種の支援金を巡っては、反社会的勢力による不正受給が当初から懸念されていた。

 国が中小企業や個人事業主に最大200万円を支給する持続化給付金も「経営に実質的に関与している者が暴力団員に該当しない」との条件を設けている。今月7日までに約329万件、約4兆3000億円が支払われたが、都内で飲食店の経営に関与しているという暴力団幹部は「審査はザル。申請が多すぎてチェックできていない」と、不正受給への関与をほのめかした。

出典:毎日新聞(2020/9/15)
https://mainichi.jp/articles/20200915/k00/00m/040/016000c