福井南署は10月22日、福井県福井市内の70代女性が架空の株購入費名目などで2500万円をだまし取られたと発表した。県警が今年認知した被害額としては最多。女性は家族と暮らしているが、犯人とみられる男から「家族に言ってはいけない」「(金融機関で)金を下ろすときは『リフォーム代』と言え」などと指示されていた。

 同署によると、女性宅に9月23日、証券会社を名乗る男から「あなた名義で別の証券会社の株を10株買った」と電話があった。その後、別の証券会社を名乗る男から「2株分400万円だけでも支払ってほしい」「裁判を起こすため弁護士費用が必要」「税金対策で独立行政法人に預けた方がいい」などと金を要求する複数回の電話があった。女性は10月13日までに6回にわたり計2500万円を都内などに宅配便で送った。

 その後、弁護士を名乗る男から500万円を要求され送ったが、現金送付詐欺事件を調べていた他の都道府県警から福井県警に「福井から荷物が届いている」との情報提供があり、500万円はだまし取られなかった。

 県警によると、県内で今年1~9月に認知した特殊詐欺被害は17件2995万5千円で、このうち65歳以上の高齢者が13件を占めている。県警は「宅配便で現金を送ることはできない。要求があれば詐欺を疑い、家族や警察に相談してほしい」と呼び掛けている。

出典:福井新聞(2020/10/23)
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1190342