日本に住む中国人を狙った特殊詐欺事件が大阪府内で相次いでいる。府警は4日、大阪市に住む中国人留学生の20代女性が、約1700万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。詐欺グループは警察官などを装って流暢(りゅうちょう)な中国語で言葉巧みに現金を要求しており、府警が注意を呼びかけている。

 捜査2課によると、女性のスマートフォンに9月、中国の郵便局員を名乗る女から中国語で「あなたの個人情報が盗まれている」などと電話があった。その後も中国の警察官を名乗る男らから「あなたは詐欺の違反者になる。財産証明のために50万人民元(約790万円)が必要」と言われ、中国で暮らす母親に連絡して、指定された中国にある金融機関の口座に振り込んだ。

 女性はさらに別の名目でも現金を要求され、10月までに7回にわたり計110万人民元(約1750万円)を振り込んだという。11月になって、連絡が取れなくなったことを不審に思った女性が府警に相談して発覚した。

 府警によると、府内で在日中国人を狙った詐欺事件は3月に初めて確認され、これまでに22件計約3744万円の被害が確認されている。電話の主は中国の政府機関や大使館員などを名乗っており、「強制送還される」「在留資格を失う」などと不安をあおって現金を要求してくるという。

 府警は、空港や留学生の多い大学などに手口が書かれたチラシを配るなどして注意を呼びかけている。

出典:毎日新聞(2020/12/07)
https://mainichi.jp/articles/20201207/k00/00m/040/038000c