新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが減った個人事業主らを対象にする国の「家賃支援給付金」をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は8日、栃木県小山市、美容師、大平恵子容疑者(41)を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。同給付金の不正受給とみられる事例は複数確認されているが、逮捕者が出るのは全国初。

 逮捕容疑は8月、新型コロナの影響で収入が減ったとする虚偽の売り上げ台帳や偽の賃貸借契約書などを中小企業庁に提出し、家賃支援給付金約170万円をだまし取ったとしている。

 大平容疑者は、以前住んでいた栃木県内のアパートで美容室を経営していると偽り、月数十万円の家賃を支払っていると虚偽の申告をしていた。アパートの管理会社に給付金の振り込み通知が届いて不正の疑いが浮上し、警視庁が捜査していた。

 経済産業省によると、家賃支援給付金は5~12月に1カ月でも売り上げが前年から半減するか、3カ月連続で30%以上減った中小企業や個人事業主が対象。法人は600万円、個人事業主は300万円を上限に支給する。12月7日までに約64万件(約6000億円)が支払われている。

 申請には、売り上げの減少や家賃支払いなどを証明する書類が必要になるが、売り上げ台帳は手書きが認められ、家賃支払いも大家と借り主が自筆で書いた書類で足りる。不正受給の疑いでの逮捕者が相次ぐ「持続化給付金」と同様、迅速な支給を優先しているためだが、経産省は「不正が疑われる事案は警察に情報提供している」としている。

出典:毎日新聞(2020/12/09)
https://mainichi.jp/articles/20201208/k00/00m/040/301000c