岡山県警は18日、県内で今年認知された特殊詐欺の被害総額が5億円を超えたと発表した。前年同期の2倍超に達しており、高齢者が被害に遭うケースが目立っている。

 県警生活安全企画課によると、今年の被害は同日現在で98件約5億1310万円。金額は前年同期(101件約2億1660万円)の2・3倍で、年に5億円を超えたのは2017年以来。1千万円以上の高額被害も14件に上っている。

 65歳以上の被害が90件約4億6870万円で件数、金額とも9割以上を占める。11月下旬には岡山市の女性(82)方に警察官を名乗る女から「あなたのキャッシュカードでお金が下ろされている」と電話があり、訪ねてきた男にカードと暗証番号のメモ入りの封筒を渡したところ、偽物が入った封筒とすり替えられ、約1280万円が引き出された。

 新型コロナウイルス禍で在宅時間が長くなっている上、家族の帰省も難しい状況で、今後も高齢者のみの世帯が狙われる可能性が高いという。同課は「在宅時でも留守番電話機能を活用し、電話でお金の話が出たら家族や警察に相談してほしい」と呼び掛けている。

出典:山陽新聞(2020/12/18)
https://www.sanyonews.jp/article/1082579