新型コロナウイルスのワクチンを優先的に接種できるなどと言って、金銭などを要求する不審電話が各地で相次いでいる。警察当局や国民生活センターは、悪質な「便乗詐欺」とみて注意を呼びかけている。

 警視庁によると、東京都目黒区の80歳代女性宅に先月6日、都職員を名乗る人物から「ワクチンの予約を受け付けている。一時金が必要」と電話があった。女性が目黒署に通報したため被害はなかったが、同様の不審電話は2月15日までに都内で13件に上り、高齢者ばかりが狙われている。

 各地の警察などによると、埼玉、愛知、兵庫、佐賀県などでも、同様の不審電話が確認されている。ワクチン接種の案内を装うメールを送りつけ、偽サイトに誘導して個人情報を盗み取る「フィッシング」の手口もあるという。

 新型コロナワクチンの接種費用は全額国が負担することが決まっており、警視庁幹部は「金銭を要求されたら間違いなく詐欺なので、電話を切って警察に通報してほしい」と話している。

出典:読売新聞(2021/2/17)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210217-OYT1T50105/