後を絶たない特殊詐欺だが、山陰両県では、地元の百貨店を名乗る不審電話が相次いでいる。鳥取市ではキャッシュカードを騙し取られる被害も出ていて、警察が注意を呼びかけている。

(本田記者)「百貨店の社会的信用の高さを悪用した卑劣な特殊詐欺が鳥取市で確認されました。」

 鳥取市内に住む80代女性のもとに男から電話がかかってきたのは4月13日のこと。

(再現の声)「百貨店の職員です。あなた名義のクレジットカードで買い物をしている女性がいる。カード偽造の恐れがあるので、全国銀行協会に連絡してください」

教えられた番号に女性が電話をすると今度は別の男が。

(再現の声)「クレジットカードが偽造され、キャッシュカードも悪用されている可能性がある。再発行の必要があるので、お宅を訪ねた男性に渡してください」

女性は、自宅に来た男にキャッシュカード3枚を手渡し、暗証番号も教えたという。そして銀行口座からは約230万円が不正に引き出されてしまい騙し取られた。

名前を使われた百貨店側は。

(百貨店担当者)「ここ最近同様の相談が相次いでいるがそういった電話をかけることはない、被害を聞いて驚いた」

 山陰両県では鳥取市のケースのほかには、同様の手口による実際の被害は今のところ出ていないが、従業員を装った不審電話は相次いで確認されている。その状況は百貨店と警察が把握しているだけで4月12日から16日にかけて鳥取市の大丸と米子市の高島屋、それに松江市の一畑を名乗る不審電話がそれぞれを約10件、合わせて30件余りにのぼっている。

(鳥取県警生活安全企画課加藤さん)「不正利用をうたった電話は、かかってきた時点で詐欺を疑ってほしい」

地域に根付き、その街のブランドでもある百貨店の名前を悪用した新手の詐欺。
被害が拡大しないために、現金やカードなどに関する電話は絶対信用しない事を改めて肝に銘じる必要がある。

出典:FNNプライムオンライン(2021/4/20 TSKさんいん中央テレビ)
https://www.fnn.jp/articles/-/172424