高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種が本格化する中、「優先的に接種できる」などとウソをついて高齢者に金銭を要求する詐欺電話などが相次ぎ、消費者庁や警察が注意を呼びかけている。

 消費者庁によると、全国の消費生活センターなどに今月10日までに寄せられたワクチン詐欺に関する相談は88件。実際に金銭を支払ってしまう被害も確認されている。

 東京都では、保健所を名乗って「10万円払えば優先接種する。接種後にお金は返す」という電話が確認されたほか、秋田県でも「金を払えば接種希望日を選べる」などの電話があった。滋賀県では、代行予約と称し、不審な人物が実際に住宅を訪ねてきたケースがあった。

 警察当局によると、不審電話は愛知、大阪、福岡など各地で確認されており、手口も少しずつ変わってきている。東海地方の40歳代男性には4月上旬、団体職員を名乗る人物から「ワクチン接種が始まったが、余った枠を案内している。新薬なので費用は約50万円だ」と電話があった。4月下旬には、秋田県大仙市の60歳代男性宅に「ワクチンが余ったので、50万円を支払えば接種できる」と書かれた文書が届いた。

 国民生活センターでは「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」(0120・797・188)で相談を受け付けている。警視庁幹部は「行政機関が金銭や個人情報を求めることはない。ワクチン接種で金銭を要求されたらすぐ電話を切って通報してほしい」と話している。

出典:Yahooニュース(2021/5/13 読売新聞オンライン)https://news.yahoo.co.jp/articles/27f17b806c93a85c39db442685c1f9d644921430