「10億円当選した」とのメールを受け取り銀行で手続きをしようとした乗客の女性に声をかけ、特殊詐欺の被害に発展する可能性を未然に防いだとして、タクシー運転手に警察から感謝状が贈られました。

 感謝状が贈られたのは、雲仙市のタクシー会社「瑞穂タクシー」の運転手、矢坂須美江さん(57)です。

 14日は雲仙警察署の雲仙北交番で贈呈式が行われ、黒崎誠署長から矢坂さんに感謝状とともに記念の盾が手渡されました。

 矢坂さんは先月17日、タクシーで70代の女性を市内にある銀行の支店に送り届けた際「『10億円当選した』とのメールを受け取った。銀行で手続きをしなければいけないが、どうしたらいいか」などと相談を受けたことから、特殊詐欺の可能性を疑ったということです。

 矢坂さんは、この女性をそのまま近くの駐在所に連れて行き、特殊詐欺の被害に発展する可能性を未然に防いだということです。

 長崎県警察本部はことし3月、乗客に特殊詐欺の被害者などがいた場合、警察に通報することを盛り込んだ協定を長崎県タクシー協会と締結していましたが、協定の締結後、県内のタクシー運転手が特殊詐欺を防いだ事例は初めてだということです。

 贈呈式の後、矢坂さんは「『おせっかいはハラスメントにもなり得る』と言われたこともあったが、おせっかいが功を奏した」と話していました。

出典:NHK NEWS WEB(2021/5/14)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20210514/5030011437.html