今月、都内に住む50代の女性が「サポート詐欺」と呼ばれる架空請求詐欺の被害に遭った。

 女性によると、自宅のパソコンでインターネットをしていたところ、突然警告音が鳴り響いたという。

 「大音量で音が鳴りだして、5分くらい鳴りっぱなしのまま呆然としたけれど、どうにもならないので(電話を)かけてしまった」(都内・50代女性)

 「サポート詐欺」は、パソコンがウイルスに感染したかのように見せかける詐欺行為。ウイルス除去の“サポート”と称して電話をかけさせて現金を要求し、外部からパソコンにアクセスできるソフトを入れさせ、個人情報を抜き取ろうとする。

 詐欺の流れは、まず、パソコンに突然、警告を示す画面や印刷のプリンタの選択画面が出現。警告音とともに「マイクロソフトセキュリティーアラーム・エラーナンバーDW6VD36。あなたのPCは“ダイニーバンクトロイアン”に感染しています…」というメッセージが表示され、画面上に突如、電話番号が出てくる。この電話番号に発信してしまうと、詐欺に遭う仕組みになっている。

 詐欺被害に遭った女性は、警告音と不信なメッセージに動揺し、表示された番号に電話したところ、片言の日本語で「ウイルス除去のサポートをする」と説明された。その後、電話先の相手からプリペイドカードで7万5000円を支払うように要求されたといい、女性はコンビニ店でカードを購入。電話で記載された番号を伝えると、1分もしないうちに「このカードは支払いができませんでした。なので、別のカードを買ってきてください」と言われた。

 不審に思った女性は詐欺だと気づき、警察に相談。その後、プリペイドカードの会社に連絡し、7万5000円のカードは使用前の状態に戻った。女性は「許せないです。普段は(自分を)慎重なほうだと思っていましたが、まったくそんなことはない。焦って電話をかけてしまった時点で、駄目だったんだろうと思って……」と後悔の念を口にした。

 ITジャーナリストの三上洋さんは、「サポート詐欺の“ビー”という音、これが出ている状態ではウイルス感染はしていません。ブラウザを閉じたりパソコンを再起動したりすれば、それ以上の被害は出ません。一番まずいことは、これに驚いて電話をかけてしまうことです」と指摘。サポート詐欺に遭っても、冷静に対応し、電話をかけないように気をつける必要があるとした。

出典:Yahooニュース(2021/6/4 ABEMA TIMES)https://news.yahoo.co.jp/articles/cf0c2bace6dd3267754fedd310f88347e4652698