医療費や保険料などが戻るとうそを言い、ATMを操作させて金を振り込ませる「還付金詐欺」の被害が急増している。警察庁の3日の発表では、今年上半期(1~6月)に全国で把握された被害は1733件で昨年同期の約2・3倍、被害額は約1・9倍の約19億7千万円にのぼる。警察庁は「ATMで手続きをすると金が戻るといった話はすべて詐欺なので注意してほしい」と呼びかけている。

 還付金詐欺を含む特殊詐欺全体の被害は昨年の上半期とほぼ同じ6840件、被害額は約128億8千万円で3・1%減ったもののなお深刻だ。このうち、身内などを名乗るオレオレ詐欺は1418件で昨年より3割以上増えた。

 還付金詐欺は、自治体や保健所、税務署の職員などを名乗るうその電話から始まる。医療費や健康保険・介護保険の保険料、年金、税金などの過払い金や未払い金があるなどと偽り、携帯電話を持って近くのATMに行くよう仕向ける。被害者がATMに着くと、電話を通じて言葉巧みに操作させ、口座の金を犯人側の口座に振り込ませる。犯人は「期限は今日まで」などと焦らせる言葉を使うことがある。

 上半期の被害のうち21件は新型コロナウイルスを名目にしたもの。「コロナの関係でお金が返ってくる」などと偽る手口という。

 警察庁のまとめでは、還付金詐欺の被害者の4人に3人は女性。オレオレ詐欺の被害者は70~80代の女性が7割超と圧倒的に多く、60代は少ないのに対し、還付金詐欺は65~69歳の女性が33・5%と最多で、70代と合わせると65・5%を占める。

出典:Yahooニュース(2021/8/3 朝日新聞デジタル)https://news.yahoo.co.jp/articles/7d1f45c90673001010e0d96923e4ff3e87fa5e9c