京都府内で還付金を支払うと装った特殊詐欺被害が急増している。60代の被害者が8割を占めるのが特徴で、府警は現金自動預払機(ATM)の振り込みが制限されることがある70歳以上を犯人グループが避けたとみている。現金を振り込む寸前で被害を免れた女性は「詐欺はもっと高齢の人が狙われると思っていた。まさか私がだまされるなんて」と語った。

 京都市西京区の女性(66)宅に若い男から電話があったのは8月中旬の朝だった。「保険の還付金が3万5千円あります」。相手は区役所の介護保険課職員を名乗り、丁寧な口ぶりで返金の手続きを説明した。夫が昨年、還付金を受け取っていた女性は金額が妥当だったこともあり、信じてしまった。

 「当日受け取らないと失効します」と言われて焦った女性は、男の指示通りに近くの郵便局を訪れた。携帯電話で話しながらATMを操作している時、局員に声を掛けられて被害に遭わずに済んだ。自身が特殊詐欺の標的になるとは思ったこともなく、「身近に被害に遭った人はおらず、現実味がなかった」と悔しがった。

 府警によると、還付金名目の詐欺被害は今年1~8月に21件(約1687万円)発生し、昨年同時期の3件(約179万円)から大幅に増えている。特に60代の被害が18件と大半だ。

 府内の主な金融機関は、2017年ごろに還付金詐欺が頻発したことを受け、水際対策を取っている。3年以上、口座振り込みがない70歳以上の顧客はATMからの振り込みができないようにした。

 今回、60代が狙われた点について、府警は「犯人が金融機関の対策を把握してターゲットの年齢層を引き下げた」とみており、比較的若い世代でも警戒が必要だ、と呼び掛けている。

出典:Yahooニュース(2021/10/15 京都新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f076593db759f397292af249e21701ae08b29c45