2021年に静岡県内で発生した特殊詐欺の被害件数は前年比44件増の373件、被害額は1億3740万円増の7億6802万円に上ることが、5日までの県警のまとめ(速報値)で分かった。前年は被害が少なかったおれおれ詐欺や還付金詐欺の手口が大幅に増えた。県警は犯行グループが巧みに手口を変えていることが被害増加の一因とみて、注意を呼び掛けている。

 県警生活安全企画課によると、手口別では息子や孫などをかたるおれおれ詐欺が156件(89件増)、4億1320万円(2億6541万円増)と最多だった。自宅に保管している「たんす預金」の現金が狙われるケースが目立ったという。市職員などをかたる還付金詐欺は36件(35件増)、3144万円(3092万円増)だった。

 一方、前年は被害が最多だった、キャッシュカードをだまし取って現金を引き出す預貯金詐欺が34件(69件減)、3753万円(9994万円減)と大幅に減少した。架空のサイト料金などを要求する架空請求詐欺も49件(25件減)、1億4307万円(6985万円減)と前年を下回った。

 キャッシュカードをすり替えるなどして盗み、現金を引き出すキャッシュカード詐欺盗は91件(17件増)、1億3089万円(412万円増)だった。

 同課の担当者は「犯行グループは状況を見ながら手口を変えている。最近はキャッシュカードで現金を引き出すリスクを避け、たんす預金の現金を狙う傾向にある」と指摘。被害防止に向け、不審電話遮断装置の導入や常時留守番電話設定、現役世代から高齢者への注意喚起などを求めている。

出典:Yahooニュース(2022/1/6 静岡新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd9ce84371f87f19792a28ec3a7d169f1d4e9ae0