ニセ電話詐欺の被害が深刻さを増している。長崎県警のまとめ(暫定値)によると、2021年に県内で認知した被害件数は97件(前年比59件増)と前年の2・5倍を超え、被害総額は約2億6889万円(同約1億5663万円増)と過去5年で最多だった。若者を含めた各世代に被害が出ており、県警生活安全企画課は「憂慮する状況。ターゲットは高齢者だけじゃない」と注意を呼び掛けている。

 同課と組織犯罪対策課によると、架空請求(61件、前年比39件増)と還付金詐欺(21件、同20件増)の被害が多い。

 還付金詐欺の被害者は全て60代。金融機関は70歳以上の口座に振り込み制限を設定しているため、年金を受給しながら振り込み制限がない65~69歳が特に狙われているという。一方、架空請求の被害者は10~80代と各世代にわたり、多い順に60代20人、50代15人、20代9人だった。生活安全企画課は「実際に還付金の手続きをATMですること、電子マネーで料金を支払わせることは絶対にない」と訴える。

 65歳以上の高齢者の被害は43件で全体の44%だが、被害総額は約2億3791万円と全体の88%に上った。このうち諫早市内の80代女性は、名義貸しを巡るトラブルの示談金名目で少なくとも1億2650万円をだまし取られた。

 同課は「コロナ禍で家にいる時間が長くなり、電話を受けるなど被害に遭う機会が増えている可能性がある。身に覚えのない請求や電話があったら必ず家族や警察、コンビニ店員などに相談を」と啓発している。

出典:Yahooニュース(2022/1/16 長崎新聞社)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6cae11696e0bcd32224b65c641f52ef1360804b4