2021年に青森県警が認知した還付金詐欺の被害件数が30件に上り、19、20年の各1件から急増したことがわかった。県警は、新型コロナウイルスの感染拡大で、犯人が対面を避けて、電話で現金を振り込ませる手口に変化しているとみて、注意を呼びかけている。

 県警生活安全企画課によると、21年に認知した還付金詐欺を含む「特殊詐欺被害」は45件(被害総額約7584万円)で、うち還付金詐欺が6割強の30件(同約3077万円)だった。

 新型コロナの感染が国内で広がり始めた前年の20年は、受け子が被害者宅を訪れるなど対面で行われる預貯金詐欺やキャッシュカード詐欺盗が14件あったが、県内で感染が拡大した21年はゼロ件に減少した。同課は、県内で感染が深刻化したことによって、手口が接触型から非接触型に移行しているとみている。

 具体的には昨年8月、60歳代女性宅に市職員をかたる男から「保険の還付金3万2400円が戻ります」と電話があり、女性はコンビニのATMを指示通りに操作して約199万円をだましとられる被害があった。同課によると、こうした手口では、犯人が「お振り込みボタン」を「こちらから振り込むという意味」と説明したり、振込金額を「お客様番号」と伝えたりして、巧みに誘導することが多いという。

 一方、振り込む前の声がけなどによって被害を食い止めた21年の未然防止件数は72件で、前年と比べて47件も増えた。県警は、特殊詐欺の被害を防いだ金融機関やコンビニなどを認定する制度を今年度から始めており、同課の中村彰宏次長は「社会全体で被害を防げるよう協力を呼びかけていきたい」と話している。

出典:Yahooニュース(2022/1/28 読売新聞オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d3b19a17ab9a7dec7d983c1cdd490321e5f5261