特殊詐欺とは、犯人が電話等で親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させたりする犯罪のことです。息子や孫になりすまして電話をかけ、仕事に関するトラブルなどを口実にお金を要求する「オレオレ詐欺」が有名です。

令和3年の被害状況や犯行手口から最新の対策をまとめましたので参考にしてみてください。

令和3年の特殊詐欺の被害額は282.0億円。1件当たり202万円
警察庁によると、2021年の全国における特殊詐欺の認知件数は1万4498件、被害額は282.0億円となっています。被害額は過去最高となった2014年から半減しているものの、依然として高齢者を中心に被害が発生しています。1日当たりの被害額は約7730万円で、1件当たりの被害額は202万円と、大きな金額となっています。

被害は大都市圏に集中しており、東京(約3320件)、大阪(約1540件)、神奈川(約1460件)、千葉(約1100件)、埼玉(約1080件)、愛知(約870件)、兵庫(約860件)の7都府県で、全国の7割を占めています。

オレオレ型特殊詐欺が全体の56%を占める
主な手口別の認知件数を見ると、オレオレ詐欺、預貯金詐欺およびキャッシュカード詐欺盗の総称である「オレオレ型特殊詐欺」が8118件、被害額は160.7億円(1件当たり被害額は平均約198万円)と最も多く、総認知件数に占める割合は56.0%となっています。以下は「架空料金請求詐欺」2117件、同68.1億円(同約320万円)で14.6%、「還付金詐欺」は4004件、同45.2億円(同約113万円)で27.6%と続きます。この3つの手口で、総認知件数の98.2%と被害額の97.1%と、ほぼ100%となっています。

被害金を犯人が受け取る方法別の認知件数を見ると、犯人がキャッシュカードを取りに来る「キャッシュカード手交型」が2698件、被害額は39.8億円、「キャッシュカード窃取型」が 2602件、被害額は39.5億円で、この2つが総認知件数の36.6%を占めています。また直接現金を犯人が受け取る「現金手交型」の認知件数は2793件、被害額は94.4億円です。

これら3つの方法は被害者と直接対面するものであり、総認知件数に占める割合は55.8%と最も多くなっています。次いで「振り込み型」が35.1%、以下は「現金送付型」「電子マネー型」となっています。

65歳以上の高齢者の被害は1万2724件で、法人被害を除いた総認知件数に占める割合は88.2%と非常に高くなっています。特に高齢女性の被害が多いようです。

 

出典:Yahooニュース(2022/9/27 ファイナンシャルフィールド)https://news.yahoo.co.jp/articles/28054960ddc60d98e17e9dabae8953572c11ffdc