埼玉県内で特殊詐欺の発生が急増している。今年1~3月末までに、県警が認知した特殊詐欺の件数は375件で、前年同期から107件増加。被害額は8億8596万円増の14億728万円に上り、過去最悪の被害だった昨年を上回る勢いだ。中でも警察官をかたった逮捕名目のオレオレ詐欺が目立っており、県警は広く注意喚起している。

だまされた男性…1千万円失う 「逮捕状が出ている」と電話 信じた男性、ネットバンクで振り込み

 県警特殊詐欺総合対策本部によると、認知件数の内訳はオレオレが前年同比72件増の160件。次いで還付金が2件増の83件、架空料金請求が23件増の53件と続いた。警察官をかたるオレオレ詐欺は昨年7件だったが、今年は65件で9倍を超えた。被害額は5億4854万円増の5億5769万円だった。

 遠方にある警察署の警察官を装い「あなたの銀行口座が犯罪に利用されている」と、実在する警察署などの電話番号を偽装表示させ電話し、ビデオ通話やコミュニケーションアプリなどに誘引。偽の警察手帳や逮捕状を示して不安感をあおり、口座を調べる目的として指定口座に預金額全額を振り込ませる手口が多いという。同本部は増加の背景として「被害者に接触する受け子を必要とせず、インターネットバンキングなどで多額の現金をだまし取ることができる」と分析している。

 県警は、警察官が▽交流サイト(SNS)を使って連絡を取る▽警察手帳や逮捕状を送信する▽金を要求したりキャッシュカードを預かる―などの行為はしないとした上で、「連絡を受けた電話番号ではなく、自ら最寄りの警察署などに相談するか、警察相談専用電話『#9110』を活用してほしい」と呼びかけている。

出典:Yahoo!(2025/04/08 埼玉新聞)

https://news.yahoo.co.jp/articles/fbfd7d17973ce6609d4f6712f5fdee2817c0626d