長崎県警がまとめた今年上半期の特殊詐欺発生状況によると、県内でニセ電話詐欺が前年同期比46件増の117件発生し、被害総額は約2億6千万円と昨年の年間被害額約3億円に迫った。警察官をかたって金をだまし取る詐欺が目立つ。
身分を偽って金をだまし取る「おれおれ詐欺」は昨年同期の4件から41件に大幅増。そのうち、警察官をかたる手口が40件を占めた。県警生活安全企画課によると、「詐欺に関与している」「口座がマネーロンダリングに使用されている」などと電話があり、ビデオ通話機能で制服姿や手帳、令状を見せて相手を信じ込ませ、資金調査などの名目で金をだまし取る。ショートメールで「至急、連絡をください」と送り、折り返しの電話で入金を誘導する手口もあったという。
同課は「警察が金銭を要求することは絶対にない。振り込む前に近くの警察に連絡を」と警鐘を鳴らす。
交流サイト(SNS)型投資詐欺の被害は28件、約2億3千万円。件数は前年同期比で半減した一方、被害額は微減にとどまった。ロマンス詐欺は44件、約1億6千万円の被害を確認した。
本物の警察官が特殊詐欺に加担したとみられる事件が県内で発生していたことも判明している。県警は今月11日、離島地区の警察署に勤務する男性巡査がキャッシュカード2枚を正当な理由なく他人に譲渡し、9万円の報酬を得ていたと発表。犯罪収益移転防止法違反の疑いで同日書類送検した。1月ごろSNSで知り合った第三者に口座を譲っており、この口座が特殊詐欺に悪用されて7人が計約840万円をだまし取られていたという。県警は「再発防止と県民の信頼確保に努める」としている。
出典:Yahoo!(2025/07/30 長崎新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c4f3e6edfe6ee8b43d2bb2af86bd167737fc0075