SNSを通じて投資を勧め金をだまし取る「SNS型投資詐欺」が増加している。頻繁にやり取りをして相手の信頼を得てから投資を促す手口のため、被害に気付くのが遅れ、被害額が大きくなるおそれもある。

「LINE」で連絡が80%以上。警察庁が初めて集計した2023年の全国の被害状況は認知件数が2271件、被害額は約278億円。

月ごとに見てみると件数、被害額共に右肩上がりに増えている。

高知県内でも被害は2023年の秋から増加し、2024年1月から6月19日までの認知件数は20件、被害額は3億5577万円にのぼり、1億円を超える被害も報告されている。

被害者が投資を始めるきっかけは、知らない人からのメッセージや投資の公告などで、「必ずもうかる投資術」などと書かれた広告をタップすると、アカウントの登録や個別グループに招待される。

警察庁のまとめによると、投資詐欺の連絡手段として80%以上を占めるのが「LINE」だ。

SNS型投資詐欺は、すぐに金銭を要求する従来の特殊詐欺とは異なり、頻繁にやり取りをして相手の信頼を得てから投資を促す手口のため、被害に気付くのが遅く、被害額も膨れ上がるという。

県内に住む60代の男性は、2023年にこのSNSを使った巧妙な手口で、あわせて200万円以上をだまし取られた。

被害男性の長男は、「LINEの投資グループの流れで詐欺にかかったという感じ」と当時を振り返る。

被害男性が実際に入っていたLINEグループでは、“先生”と呼ばれる人物の指示で取り引きをしてもうけたという投稿が繰り返された。「こんなにもうけた」「車を買った」「リゾート地で旅行」などのメッセージを見て、もうかるイメージが付いたという。

さらに、「金の値段が高騰し金投資が安定している」「あと50万円追加すればランクアップしてリターンが増える」など言葉巧みに投資を勧誘する。

男性は“先生”の指示に従い、「FX(外国為替)」の取り引きに100万円を投資。指定された偽の運用アプリでは1日に7万円の利益が出ていたが、家族に止められ投資したお金の返還を求めた。

しかし、「はぐらかして『気長に待ってください』みたいなラインが来て、それ以降、全然やりとりができなくなった」という。最終的に連絡が途絶え、お金は戻ってこなかった。

男性はほかにも高額な投資セミナーの受講料など、あわせて200万円以上支払ったという。

被害男性の長男は、携帯やお金を振り込む方法を取り上げるなど、家族ができることは「物理的に止めること」しかない話す。

また、警察や弁護士に相談するなど、現実的な行動をしないと本人は納得しないと指摘した。被害者本人は「自分だけは、詐欺とは違うと思っている」と語った。

右肩上がりに増える被害に、県警は「知らない相手からの投資話には絶対に乗らないでほしい」と注意を呼びかける。

高知県警生活安全企画課・土居照明課長:
「絶対に稼げる」。この言葉は絶対に詐欺です。簡単なもうけ話は必ず詐欺を強く疑っていただく。1人で考え込まず、抱え込まず、警察に必ずご相談をしていただくというのをお願いいたします。

投資の勧誘行為は金融庁から許可を受けている業者や登録業者しかできない。登録業者であっても「必ずもうかる」といった言い方はしないため、まず詐欺を疑ってほしい。

登録業者は金融庁のウェブサイトで確認することができる。
不安な人は最寄りの警察署か警察総合相談電話(#9110)に電話して確認することも可能だ。

出典:Yahooニュース(2024/07/03 高知さんさんテレビ)

https://news.yahoo.co.jp/articles/04d1dde3ac726090543b147f74aa12b30d36252a?page=1