特殊詐欺の被害は岐阜県内でも後を絶たない。岐阜県民により分かりやすいよう県警が「ニセ電話詐欺」と呼称する犯罪の被害は、2012年以降の10年間で総額63億1049万円に上る。
「話すうちにおかしいとは思ったが、つい引っかかってしまった」。羽島市の70代女性は取材に、後悔の念を口にした。市職員をかたる人物から「2万1015円の払い戻しがある」などと自宅に電話が入り、その後、金融機関職員をかたる相手からの電話で暗証番号などを伝えた。「今から女性を向かわせます」。自宅を訪れた金融機関職員役にキャッシュカードを渡した。幸い、現金を引き出される被害はなかったが、「思慮が足りなかった」と自身を責めた。
県警生活安全総務課の亀山真弘課長補佐は「分かっていても突然の電話にうろたえ、つい相手を信用してしまう」と実情を話す。手口は巧妙で、いったんは被害が収まった種別の詐欺が再び増加するなど変遷を繰り返し、昨年は還付金詐欺の被害が20年の4件から60件に急増。今年は警察官をかたる電話や、スマートフォンを通じアダルトサイトの未納料金を請求する手口が横行しているという。
被害額は18年以降、2億円台で推移、昨年は2億7972万円(20年比961万円増)だった。県警は街頭啓発に加え、ユーチューブの県警公式チャンネルで詐欺犯からの電話の音声データを公開しているほか、防犯機能付き電話機の設置を呼びかけており、「より踏み込んだ注意喚起を徹底していく」と話している。
出典:Yahooニュース(2022/6/8 岐阜新聞Web)https://news.yahoo.co.jp/articles/0dff0cf5f443f1f5572089e4d7ca99b74861a93a