新型コロナウイルスに便乗したとみられる不審な電話などが今月に入り県内で確認されたことが、県警への取材で分かった。警察官などをかたって高齢者宅に電話をかけ、個人情報を聞き出そうとするニセ電話詐欺と同じ手口で、県警は注意を呼び掛けている。

 岐阜羽島署によると、八日午前九時三十分ごろ、岐南町の七十代女性宅に「岐阜北警察署の生活課」と実在しない部署を名乗る男から電話があった。「新型コロナウイルスの詐欺事件で十八人の犯人を逮捕した」との内容に続けて、住所と職業を聞かれたという。

 男が、岐南町のある羽島郡を「ハトリ郡」と言い間違えたため、女性は詐欺と気づき曖昧に応じていると電話が切れたという。

 大垣市でも九日、保健所を名乗り「マスクを配布している。家族は何人か。今、家族は在宅しているか」「明日マスクを配りに行く」と高齢者宅に電話があった。神戸町では「緊急対策特別資金。保証人・担保なし1500万円貸します」と飲食店にファクスが届いたが、いずれも金銭の被害はなかった。

 県警生活安全総務課は「災害時などと同様、便乗した詐欺の手口が出てくる。まずは警察か家族に相談して」と求め、留守番電話の活用を呼び掛けている。

 ニセ電話以外にも、ドラッグストアや小学校の保健室、ショッピングセンターなどでマスクや消毒液が盗まれる被害が、二月から三月にかけて計八件起きている。

出典:中日新聞(2020/4/14)