「この書き込みは詐欺の共犯者を募る不適切な書き込みの恐れがあります」。県警は、ニセ電話詐欺の実行犯役を募る短文投稿サイト「ツイッター」での投稿を見つけ、こうした警告文を返信する取り組みを始めた。担当者は「詐欺に加担する人を減らし、被害をなくしたい」と話している。(土屋晴康)
 ツイッターで「受け出し」と検索すると「受け出ししたい方募集」「指示通り動いていれば、リスクなくできる案件」といった書き込みが見つかる。県警によると、「受け」は被害者から現金を受け取る「受け子」、「出し」は盗んだキャッシュカードなどで現金自動預払機(ATM)から金を引き出す「出し子」の意味。こうした詐欺の実行犯役を募集する書き込みが後を絶たないという。
 そこで、県警は4月、詐欺の実行犯役を募集するような書き込みを探し、「神奈川県警察サギパトツイッター」のアカウント名で警告文を返信するようにした。また、「受け」「闇バイト」というハッシュタグ(検索目印)を付け、「受け取り役は捕まる役」「今なら引き返せます」と注意喚起する投稿も始めた。金目当てに「受け」「闇バイト」というキーワードで検索した人の目に触れさせるためだ。
 5月末までに警告文の返信は61件、注意喚起する投稿は23件を行った。担当者は「お金に困り、切羽詰まって検索する人もいると思うが、受け子や出し子は、捕まる危険性が高い。人生を台無しにすることがないよう注意喚起を続けたい」と話している。
 
出典:東京新聞(2020/6/4)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/33192