岩手銀行(田口幸雄頭取)は、続発する特殊詐欺被害抑止のため、7月1日から80歳以上の利用者が現金自動預払機(ATM)からキャッシュカードで引き出せる1日の限度額を20万円とする。大金を引き出せない環境を整え、万一の被害を最小限に食い止める。  引き出し制限は、高齢者から言葉巧みにキャッシュカードをだまし取り、暗証番号を聞き出して現金を引き出す犯罪の増加を踏まえた対応。特に被害が目立つ年代を対象とした。現在は、年齢を問わず1日の限度額を100万円としている。  生体認証付ICキャッシュカードは対象外で、事前に20万円未満で限度額を設定している場合は設定額が上限。制限の対象者で引き出し限度額の解除を希望する場合は、キャッシュカードと本人確認のための資料(運転免許証や健康保険証など)を持参し、同行本支店窓口に申し出れば実施日前でも手続きできる。  特殊詐欺被害防止に向けては4月下旬、県警が県金融機関防犯協会連合会に利用限度額の引き下げを要請した経緯があり、今後、他金融機関も独自に対象年齢、限度額を設定するとみられる。  岩手銀行事務統括部の担当者は「利用の一部制限でご不便をお掛けするが、犯罪被害抑止のためご理解をお願いしたい」と話し、ホームページやATMコーナー、窓口でのチラシ配布などで周知する。

出典:Yahooニュース(2020/6/11)
https://news.yahoo.co.jp/articles/64504af772fddfbf40a97e055a70989bbfa6f956