岡山県内で今年認知された特殊詐欺被害の総額が15日現在、約3億330万円で、2016年以降の5年間の同時期で最も多くなっていることが県警のまとめで分かった。1人で1千万円以上の被害に遭ったケースが7件あり、高額の被害が目立っている。
県警によると、高額の被害では、津山市の80代女性が県職員を名乗る男らから「個人情報が漏れている」などと電話を受け、データの削除費用や弁護士費用などの名目で4回にわたり計約5千万円を手渡した。
他にも、玉野市の80代女性が約4900万円、美作市の80代女性が約2300万円の被害に遭った。いずれも架空請求詐欺で、1千万円以上の被害7件のうち5件を占めた。「5件とも1人の被害者がさまざまな名目で複数回お金をだまし取られていた」(生活安全企画課)という。
認知件数は46件。うち最も多いのは、金融機関や行政職員をかたって高齢者らに電話した上で訪問し、キャッシュカードや預金通帳をだまし取る預貯金詐欺の22件。ATM(現金自動預払機)で振り込ませる手口が金融機関の水際対策によって難しくなり、直接キャッシュカードなどを受け取る手口が増えているとみられる。
同課は「非通知の電話に出ないようにするとともに、1人で判断せず、必ず家族や警察に相談してほしい」と呼び掛けている。
出典:山陽新聞(2020/6/16)
https://www.sanyonews.jp/article/1022152/