「なりすまし詐欺」被害を未然に防ごうと、郡山署と郡山女子大付属高放送部が連携し、被害防止を呼び掛ける広報用の音声CDを作成した。詐欺の被害者に高齢者が多いため、孫世代の高校生がゆっくりと分かりやすく被害に遭わないこつを朗読する内容になっており、巡回するパトカーから流すなどして活用する。
きっかけは、同署の冨塚法雄署長のひらめきだった。高齢者の詐欺被害が相次いでいることから、「孫世代の声で訴えたら、耳に残って意識してもらえるのでは」と考え、音声の提供を放送部に依頼した。
話が持ち込まれた放送部は、新型感染症の影響でコンクールが中止になり、活動の場を失っていた。部員らは「貴重な経験になる。ありがたい」として、申し出を快諾したという。
音声は2種類あり、どちらも2分ほど。放送部副部長の女子生徒(2年)と3年生1人がそれぞれ原稿を読み上げ、1年生1人が録音作業を行った。「警察官や市役所職員が電話をかけ、『キャッシュカードを預かります』と要求することはありません」などと呼び掛けている。
同署は8日、放送部の積極的な姿勢をたたえ、女子生徒と顧問の橋本典子教諭に署長感謝状を贈った。席上、女子生徒は「誰が聞いても分かりやすいよう、ゆっくりと明るめの声で読み上げた。いつ誰が被害に遭うか分からないので、気を付けてほしい」と語った。
贈呈式の後、同署周辺でデモンストレーションを行い、女子生徒らが実際にパトカーから流れる自分の音声を聴いた。
同署は女子生徒らが参加した音声CDを使用し、啓発活動に協力する市内のスーパーや施設を募っている。問い合わせは同署生活安全課(電話024・922・2800)へ。
出典:福島民友ニュース(2020/7/14)
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20200714-516544.php