今年上半期の特殊詐欺の認知件数は昨年同期比14・4%減の6861件(暫定値)で、3年連続で減少した。被害総額も同15・6%減の約128億5700万円だった。

 特殊詐欺の被害は依然として都市部に集中しており、東京、神奈川、大阪、千葉、兵庫、埼玉、愛知の7都府県で7割を占めた。自宅にある現金の額などを事前に聞き出す「アポ電(アポイントメント電話)」も、この7都府県を中心に全国で計5万413件に上った。ただ、月平均(8402件)で見ると、1万件を超えていた昨年よりも減少した。

 手口別では、被害者宅で封筒に入れさせたキャッシュカードをすり替える「詐欺盗」が昨年同期比22・4%増の1705件に上ったが、4月からは減少。留守番電話などの活用のほか、警察による摘発が進んでいることが背景にある。

 一方、感染拡大に乗じた特殊詐欺が今月29日現在、全国で42件確認され、被害総額は約7541万円に上った。国や自治体からの給付金や補助金の支給名目で、「受け取るには、口座を作り直さなければならない」と言って、キャッシュカードをだまし取るケースが目立っており、警察庁が注意を呼びかけている。

出典:読売新聞(2020/7/30)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200730-OYT1T50099/