南警察署(田中武志署長)は高齢者が特殊詐欺の被害に遭うのを防ごうと、敬老の日に合わせで9月19日から22日に注意を呼び掛ける活動を行った。警察官は南区内の高齢者宅約800件を個別訪問したほか、横浜橋通商店街や弘明寺商店街の店舗にも詐欺被害への注意を呼び掛けた。

増える被害額

 南署によると、南区内で今年発生した特殊詐欺の被害件数(9月25日時点)は31件で昨年の45件から減少しているが、被害額(同)は昨年の約7100万円から9000万円に増加した。

 その多くは高齢者を狙ったもの。自宅の固定電話に子どもや孫を装った詐欺の電話をかけて現金を騙し取る手口が目立つため、家族も注意する必要がある。

 活動の4日間では、高齢者と暮らす人にも詐欺の手口を知ってもらおうと、人通りの多い両商店街にA4サイズの啓発チラシを配布し、各店舗が掲示。イトーヨーカドー横浜別所店では特殊詐欺とその対処法をまとめたDVDを放映した。

 商店街と横浜市営地下鉄ブルーラインの駅構内では、音声アナウンスで注意を呼び掛けた。

録音嫌がる犯人

 特殊詐欺を未然に防ぐのに効果的といわれているのが留守番電話設定。同署は「犯人は自分の声が録音されると証拠が残るので嫌がる」と話す。また、会話を録音する機能を持つ電話機も抑止に役立つという。

 田中署長は「被害額の大きい特殊詐欺が相次ぎ、詐欺被害がきっかけで家族の絆が切れてしまうことがある。万が一、怪しい電話に出た場合はすぐに警察へ通報を」と呼び掛けている。

出典:タウンニュース(2020/10/01)
https://www.townnews.co.jp/0114/2020/10/01/544523.html