生命保険大手の第一生命保険は2日、山口県周南市の西日本マーケット統括部徳山分室に勤務していた県内の80代の元女性社員が、架空の金融取引を複数の顧客に持ちかけて集金していたと発表した。少なくとも21人から計19億円を集めていたとみられる。第一生命は7月に女性を懲戒解雇し、県警周南署に詐欺容疑で告発した。返金作業を始め、全容解明を急いでいる。

 第一生命によると、女性は「生保レディー」と呼ばれる現役営業職だった。10年以上前から、主に山口県内の個人顧客に対し、実際には存在しない「特別枠」で運用すれば高金利が適用されると持ちかけ、会社を通さず直接顧客と契約したように装い、現金を預かっていた。ほとんどが女性と付き合いが長い顧客で、預かり証として手書きの証書のようなものを作成して提示するなどしていた。集金分の使い道について、第一生命は「現時点では判明していない」としている。

 6月初旬に顧客から会社へ問い合わせがあり、発覚した。第一生命は7月3日付で女性を懲戒解雇し、同31日に周南署に告発した。また、10月2日付で、東京本社に対策本部を設置し、実態解明と最終的な集金額の確定などを進めている。既に顧客への返金作業や謝罪を始めている。

 第一生命は「お客様ならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることを深くおわびします」とコメントを出した。

出典:MSNエンターテイメント(2020/10/2)
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