鉄壁のスクラムで特殊詐欺を撃退しようと、奈良県警天理署などは天理大ラグビー部員らをモデルに特殊詐欺被害の防止を訴える啓発ポスターを制作した。13日には「1日天理警察署長」に就任した部員らが、市内の金融機関などにポスターを掲示する啓発活動を行った。

 ポスターは同署が同大に協力を依頼し、全国地域安全運動(11~20日)の一環として制作した。犯罪を食い止めるという力強いイメージに合うとして、ラグビー部員にモデルになってもらうことにしたという。デザインは2種類あり、制作枚数は計600枚。今後は随時、同署管内の金融機関やコンビニエンスストアなどに配布する。

 同署管内の今年の特殊詐欺発生件数は10件(9月末現在)で、被害総額は約5000万円。同署は「被害額は県内でワースト1なので、このポスターで被害を食い止めたい」と意気込む。

 この日は、モデルになった松岡大和主将(22)ら部員3人と金融機関の職員が金融機関や市役所内のATM(現金自動受払機)コーナーなどにポスターを掲示した。松岡主将は、ラグビー部で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことを踏まえ、「辛い状況でも応援してくれる人たちがいて救われた。地域貢献と自分たちが日本一になることで地元の方たちにその恩返しができたらうれしい」と話した。

出典:毎日新聞(2020/10/14)
https://mainichi.jp/articles/20201014/k00/00m/040/061000c