インドネシアで金を仕入れて差益を稼ぐ――。こんなうたい文句で架空の投資話を持ちかけ、高額の現金をだまし取ったとして、兵庫県警が無職の男2人を詐欺容疑で9~10月に逮捕した。これまで立件した被害総額は計2億円余りで、今後増える可能性もある。被害者を信じ込ませるための「演出」もあったという。
灘署によると、被害者の一人は大阪府和泉市の建築業の男性(46)。「インドネシアで金を安く仕入れ、売って差益を稼ぐ。配当が月8%出て、元金は返金される」。逮捕された東京都昭島市の男(45)から、こんな投資話を持ちかけられたという。
男は2017年7~9月に被害男性から計1億500万円をだまし取ったとして逮捕された。署によると、男は同8月、被害男性をインドネシアまで案内。自身が金取引する様子を見せたうえで、現地のホテルで現金500万円を受け取った疑いがある。さらには実際に配当も渡した後、翌9月、大阪市北区のホテルで現金1億円を受け取った疑いもある。 署は現地案内も配当も、被害男性を信じ込ませる手口とみている。
また同様の投資話で18年8~11月、大阪市福島区の衣料品販売業の男性(47)と神戸市須磨区の不動産管理業の男性(44)も、それぞれ5千万円をだまし取られたという。ただ逮捕されたのは、大阪府四條畷市の男(58)だった。県警は、逮捕された男2人の関係を詳しく捜査する。
コロナ禍での経済不安もあって、安定資産とされる金に投資家の資金が流れる傾向にある。日本取引所グループによると、金の先物取引価格は8月7日には1982年の上場以来の最高値(1グラム7032円)を記録した。国民生活センターの担当者は「必ずもうかるなどの言葉は信用せず、事業者の実態や配当の仕組みなどをしっかり調べ、家族などに相談することが大切」と話した。
出典:yahooニュース(2020/10/23)
https://news.yahoo.co.jp/articles/58adf37715089175987e1747dc4e3f5caebf2727