テレビCMの製作を架空発注し、広告大手「博報堂DYメディアパートナーズ」(博報堂DYM、東京都港区)から約3200万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は16日、元社員の中島真毅(まさき)容疑者(43)=東京都大田区東蒲田1=ら4人を詐欺容疑で逮捕した。同課は2016~19年に同様の手段で計約7億円を詐取したとみて調べている。
他に逮捕されたのは、いずれも会社役員で、江東区有明1、大林剛(37)▽渋谷区猿楽町、野田貴大(37)▽さいたま市中央区上落合3、風間裕一郎(38)の3容疑者。
逮捕容疑は18年11月、大林、野田両容疑者が勤めていた別の広告会社2社が、博報堂DYMからテレビCM製作の発注を受けたとする架空の請求書を、中島容疑者が勤務先に提出し、同社から計約3200万円をだまし取ったとしている。同課は4人の容疑の認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、製作費として支払われた現金の一部は中島、風間両容疑者にも渡り、遊興費などに充てられていたとみられる。
博報堂DYMは「博報堂DYホールディングス」(東京都港区)の中核会社。中島容疑者はテレビCMの製作を担当していたが、社内調査で不正が発覚。19年9月に懲戒解雇され、20年7月に警視庁に告訴されていた。大林、野田両容疑者もグループ会社で働いていたが、12年3月に退社している。博報堂DYMは「捜査には協力していく」とコメントした。【岩崎邦宏、安達恒太郎】
出典:毎日新聞(2020/11/19)
https://mainichi.jp/articles/20201116/k00/00m/040/290000c