新たな還付金詐欺の被害が京都府内で相次いでいる。金額ではなく、うその「お客様番号」を現金自動受払機(ATM)に入力させ、だまし取る手口だ。使われたお客様番号は「499336」。この数字にも、実は意味がある。

 亀岡市の無職女性(68)はこの手口で約100万円をだまし取られた。亀岡署によると、12日午前10時40分ごろ、女性宅に市職員を名乗る男から「介護保険料が支払われすぎている。還付手続きの期限は今日まで」と電話があった。女性が「手続きをする」と伝えて金融機関に行くと、今度は金融機関の担当者を名乗る男から、携帯電話に着信があった。

 女性は男が指示する通りにATMを操作して「お客様番号」と伝えられた「499336」を送金の画面で入力、結果的に49万9336円を振り込んだ。男から別の金融機関のATMも使うよう指示された女性はそれに従い、再び49万9336円を送金し、計99万8672円をだまし取られた。帰宅後に夫から詐欺の可能性を指摘され、取引明細を見て被害に気付いたという。

 与謝野町のパート職員の女性(67)も同様の手口で、49万9336円を振り込まされた。宮津署によると、12日午後2時ごろ、女性の自宅に役場の職員を名乗る男性から「介護保険料の還付金がある」と電話があった。利用している金融機関の名前を伝えると、今度は金融機関のコールセンターの職員を名乗る男から電話があり「振り込み手続きのため、ATMに行ってほしい。携帯電話の番号を教えて」と言われた。

 金融機関に着くと、再び男から携帯電話に着信があり、女性は男が指示する通りにATMを操作し、指定された口座に49万9336円を振り込んだ。男は「外に出て待っていて」と言って電話を切ったが、不審に思った女性が口座の残高が減っているのを確認し、被害に気付いた。女性はATMの操作に不慣れだったという。

 府警によると、「お客様番号」と伝えられた6桁の数字は、多くの金融機関が振り込みの上限金額に設定している、50万円に近い数字として選ばれたとみられる。府警は「還付金詐欺はよくあるが、今回のように返還金額を伝えずに、だまし取ることはあまりない」と警戒を強めている。

 特殊詐欺の被害相談は、警察相談専用窓口(♯9110)か消費者ホットライン(局番なしの188)。【中島怜子】

出典:Yahooニュース(2021/6/14 毎日新聞)https://news.yahoo.co.jp/articles/9ef5661634fb056c571914b382d6f8d7297d0bf9