旭区は、振り込め詐欺対策電話機などの購入者に対し補助金を交付する事業を昨年度から行っている。今年は6月1日から申し込みを開始し、約2週間で予定台数の半数に到達。全国的に新型コロナに便乗した詐欺が出回っていることなどから、対策電話機の購入を検討する人が増えているとみられる。

 他人になりすまし金銭をだまし取る「振り込め詐欺」は、高齢者が被害に遭いやすいとされる。65歳以上の人口が横浜市内で最も多い旭区では、2018年に詐欺被害額が約2億1千万円と過去最悪に。19年には被害額約1億3800万円、被害件数104件と県内ワースト2位だった。

 これを受け、旭区は昨年度から区内在住の70歳以上を対象に、振り込め詐欺対策電話機の購入費補助(上限1万円)を実施。昨年は5月から申し込みを開始したが、新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた時期で機器購入のための外出が難しかったことから、秋頃から申し込みが増加。予定台数を超える113台の申し込みがあった。

 今年は予定台数を昨年から50台増やし150台で対応。6月1日の申し込み開始から、75件の応募があったという。区地域振興課は「新型コロナにまつわる不審電話も増えていると言われているので、備える方が多いのでは」と話す。

 被害の始まりは固定電話

 旭区内の今年に入ってからの振り込め詐欺被害額は835万円、被害件数は10件(6月17日時点/暫定値)。詐欺被害は全国的に減少傾向で、旭区でも昨年同時期と比べ被害額と件数ともに半数以下に減少している。例年下半期が増加傾向になることから、旭警察署では区民への啓発を強化。コロナワクチン接種会場のスポーツセンターに啓発用のマットやチラシを配置して注意を促す。

 振り込め詐欺の手口は親族・区役所などの公共機関・金融機関・警察になりすまし、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、電話で指示しATMを操作させたり、プリペイドカードを購入させ番号を聞き出したりと多岐にわたるが、共通するのは最初に固定電話機に連絡が来ること。同署生活安全課は「着信時に詐欺抑止の音声が流れ自動通話録音機能を備えた対策電話機は、特に効果てきめん」と詐欺抑止効果を語る。

 補助金の申し込み希望者は旭区役所地域振興課【電話】045・954・6091に電話予約を。

出典:タウンニュース(2021/6/24)
https://www.townnews.co.jp/0105/2021/06/24/579957.html