特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県警大宮西署は19日、さいたま市のコンビニエンスストア「ファミリーマート」店員の女性(54)に感謝状を贈った。電話で話しながら現金自動預け払い機(ATM)を操作していた女性を心配し、何度も声を掛ける行動力が客を詐欺から守った。

 3日午後2時頃、50歳代の女性が来店してATMを操作し始めた。女性店員は、女性が電話で指示を受けているような様子が気にかかり、店内に貼ってある詐欺の啓発文を指さして「大丈夫ですか」と声を掛けた。「違います。大丈夫です」と女性が答えたため、いったんレジに戻った。

 しかし、ATMの方からは「違う画面が出てきます」などと女性の声が聞こえてくる。その時、店の電話が鳴った。「聞きたいことがある」。怪しい電話の傍ら、女性はまだ操作を続けている。「ちょっと何か違う。おかしい」。女性店員は再び女性に声を掛けた。「お店にも変な電話がかかってきているのでやめましょう」。女性はあと一つの操作で金を振り込むところだった。

 感謝状を受け取った女性店員は「お客様と2人でほっとできて良かった。感謝状もうれしい」と話した。市川弘明署長は「自分の業務もある中でひと声かける勇気を出していただき、ありがたい」と感謝した。

出典:Yahooニュース(2021/8/29 読売新聞オンライン)https://news.yahoo.co.jp/articles/681ec3e9ce5c5c542c540448342aecb3b6be7ef0