鹿児島県徳之島の徳之島警察署は7日、詐欺被害を未然に防いだとして、鹿児島銀行徳之島支店(川越弘敦支店長)と同行員の眞形綾子さん(51)=徳之島町=へ感謝状を贈呈した。同日、同署で贈呈式があり、末廣政春署長から感謝状を受け取った眞形さんは「被害を防げてよかった。日頃の訓練のおかげ」と笑顔を見せた。

 眞形さんは今年6月、「SNS(会員制交流サイト)を通じて海外から届く荷物の代金を振り込むよう頼まれたがATMで振り込みができない」と話す女性客(30代)に対応した際、SNSのメッセージがおかしな片言の日本語だったことなどから不審に思い、上司に相談した上で振り込みをやめるよう女性を説得して被害を防いだ。

 同署と眞形さんらの話によると、女性をだまそうとしていた相手は海外の紛争地域に住む日本人男性を名乗り、帰国するために必要だからと送金を要求していた。女性は相手とはSNS上でしかやりとりしておらず面識はなかったようだったが、詐欺とは疑っておらず、眞形さんらの説得も難航したという。

 川越支店長(54)は「まずは怪しいと気付く直観が大事」と眞形さんの眼力をたたえた上で、「日頃から顧客の資産を守るため支店を挙げて防犯体制を高めていたことが今回の結果につながった。今後も防犯に努めたい」と語った。

 同署管内で詐欺関連の振り込み防止を確認したのは昨年9月以来。同署は「管内でもSNSを利用した同様の手口や電話による還付金詐欺などの事例がある。他人から金の振り込みを要求された場合はまず詐欺を疑って身内や警察などに相談してほしい」と警戒を求めた。

出典:Yahooニュース(2021/9/9 南海日日新聞)https://news.yahoo.co.jp/articles/1291a4093bf9e702f0b222cb584dee89b8f40f65