長崎県内で詐欺の被害が急増しています。

 長崎県警本部生活安全企画課 金子 龍太郎 警視 「危機的な状況と長崎県警では考えている」

 2021年8月末までの特殊詐欺被害の認知件数は61件。最近5年間で、件数は2番目の多さですが、被害額は2億1900万円あまりで、8月までですでに最も多くなっています。手口で最も多いのは、未払いの料金があるなど架空の事実を話し、金銭などをだまし取る架空料金請求詐欺ですが、2021年特徴的なのは、2020年、2019年は見られなかったある手口。すでに17件も確認されています。

 長崎県警 金子 警視 「(2021年の)特徴的なものは、還付金詐欺。市役所の職員を電話口でかたって、医療費の還付金があるなどと嘘を言って、ATMに行かせて」

 その還付金詐欺。被害者の年代と性別にはっきりとした特徴があります。

 長崎県警 金子 警視 「60代の女性が一番狙われていると言っていいと思う。還付金詐欺の特徴は、必ず電話を受けているのが自宅の固定電話。コロナで不要不急の外出が自粛されるような中、電話を受けてしまう環境にあるのかなと」

 新型コロナの感染拡大で増えている、自宅にいる60代の女性を主なターゲットにしているのです。

 長崎県警では、被害急増の背景に県民性も影響しているのではと考えています。

 長崎県警 金子 警視 「委嘱状の交付式で、(被害防止広報大使の)前川 清 さんが言っていたのは、長崎県の人はみんな人がいい、もうちょっと疑ってかかってとお話をされた。まさにそうかなと思っている」

 長崎県警では、コールセンターを開設して気軽に相談をと呼びかけていますが、もっと身近にできる防止策もあります。

 長崎県警 金子 警視 「自分には関係ないとか、私はだまされないというような油断が一番、危ないと思っている。ご家族同居していれば、時折、詐欺の話をしてほしいし、離れて暮らされている方も、ちょっと1回電話してみて、詐欺があってるから気をつけんばよという話をぜひ、していただきたい」

 親や祖父母などとコミュニケーションを取ることで被害を防ぐ、身近な対策が大きな被害の防止につながります。

 この還付金詐欺のほか、パソコンに偽の警告画面を表示させて金銭を要求する「サポート詐欺」も確認されています。画面にある電話番号には、絶対に連絡しないでください。また、警告画面を消すにはパソコンを再起動させてください。

 詐欺の犯行の手口は、時代とともに進化しています。知ることで防げる被害も多いので、こうした最新の手口を知ることが大切といえます。

出典:Yahooニュース(2021/9/21 KTNテレビ長崎)https://news.yahoo.co.jp/articles/48c4a6cc93c55c3c7a3500f0476ff37997831390