高齢女性への特殊詐欺を未然に防いだとして、大阪府警住之江署は不動産会社役員、高田龍水(りゅうすい)さん(45)=大阪市住之江区=に感謝状を贈呈した。高田さんは「余計なお世話だと思わず、不審に思ったら声を掛けることが大切だと感じた」と話している。どのように詐欺を防いだのか。

 「今、ATM(現金自動受払機)に着きました」。大阪市内の銀行で10月21日、携帯電話を片手に70代女性が話していた。居合わせた高田さんは、女性が電話相手に指示を受け、ATMを操作しているように見えた。不審に思い、「大丈夫ですか?詐欺じゃないですか」と声を掛けたが、女性は取り合わない。

 高田さんは報道で、特殊詐欺の被害者は自分がだまされていることになかなか気付かない、と聞いたことがあった。「この人も同じではないか」。再度女性に声を掛けて一旦ATMから離し、落ち着かせてから詳しく話を聞いた。

 女性は区役所職員を名乗る男から「医療還付金が戻ってくる。はがきを送った」などと電話があったことを説明。高田さんは特殊詐欺だと確信し、警察に連絡した。住之江署のその後の調べで、電話の男は「ATMで還付金が受け取れる」などとうそをついて、女性をATMに誘導していたことも判明した。

 感謝状を受け取った高田さんは「被害を防げてよかった。今後も銀行などでは気を配りたい」と話した。【澤俊太郎】

出典:Yahooニュース(2021/12/8 毎日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0427b3f97cf1129911baa170c29883e51296663e