横行する特殊詐欺に注意を促そうと、県警は、川崎市内に開設しているコールセンターと連携した取り組みを進めている。

 特殊詐欺では、主に高齢者宅を狙って不審な「前兆電話」が掛かってくるのが常とう手段。コールセンターは、県警と連携して前兆電話が集中して確認されたエリアの住民や事業者に、電話でタイムリーに注意喚起する役割を担っている。

 4月初旬、コールセンターでは15人のオペレーターが「『あなたのキャッシュカードが不正使用された』とか『カード交換のために職員が自宅に向かう』などの電話が掛かってきたら詐欺です」などと警戒を促し、取り合うことなく警察に通報するよう呼び掛けた。

 コールセンターは2010年から、県警の委託を受けた民間事業者が運用している。19年度は100万回を超える注意喚起を行った。県警が前兆電話の集中発生を把握すると、エリアや手口などが随時共有され、注意喚起に生かされる仕組みになっている。

 20年度の発信番号は電話044(982)1876。県警生活安全部は「コールセンターが資産状況や暗証番号などを尋ねることは絶対にない。犯行グループの先手を打つ形で注意喚起に努め、被害を1件でも減らしたい」としている。

 県警が19年に認知した特殊詐欺の件数は過去最多の2790件に上った。今年は2月末時点で、認知件数311件(前年同期比75件減)、被害総額約3億4200万円(同約4億3100万円減)となっている。

出典:神奈川新聞(2020/4/13)
https://www.kanaloco.jp/article/entry-327280.html