手口が巧妙化する特殊詐欺。その被害は後を絶ちません。最近、身近なデパートの名前を騙る犯行が急増しています。被害者が語った、その手口とは。そしてドアホンには、受け取りに来た男の姿が…。
「悲しくなりますわ。考えるとね。いかに自分がアホだったかっていうのがつくづくね。もう今までの中で一番いやな思い出ですね」(被害にあった女性)
愛知県尾張旭市で1人暮らしをしている、70代の女性。先月7日、特殊詐欺の被害にあい、現金およそ150万円をだまし取られました。
きっかけは、自宅にかかってきた、1本の電話でした。
「もしもし、私、松坂屋サポートセンターの者ですが、さきほどあなたの名前が書かれたクレジットカードを使って松坂屋で買い物をされて行かれたお客さまがいらっしゃったんですが、ご家族の方ですか?」
松坂屋の従業員を名乗る男は、何者かが女性のクレジットカードを使い、松坂屋で買い物をしていった、と話したといいます。
しかし、当時、クレジットカードは女性の手元にあったのです。
「自分が持っているのにあるっていうのは変ですよねって。どうしてですかって言ったら、今は歩いていてもカードの番号を盗むことができる、そういう技術があるっておっしゃったもんで」(被害にあった女性)
男はさらに、「カードが不正利用されているため、警察に届け出をする」と告げ、電話を切りました。
すると、すぐに別の電話が。
「東海財務局の谷口といいます。あなたのカードが不正利用されています。カードを交換する必要があるので、この後、自宅に取りに行きます」
「東海財務局は私も聞いたことがある言葉だったので、完全に信じきってしまいました。」(被害にあった女性)
実在する行政機関の名前を出され、信じこんでしまったという女性。
ほどなくすると、自宅に男がやってきました。
黒の上着に、白の手袋。そして手には小さな茶封筒が。
「身分証明になるもの、名刺くださいって言ったんです。」(被害にあった女性)
身分を疑われた男は、名刺ではなくタブレットの画面に偽の身分証を表示して女性を信用させ、カード類をだまし取って行きました。
女性は、暗証番号も伝えており、その後、銀行口座を確認すると、およそ150万円が引き出されていたということです。
「松坂屋とか丸栄、三越はよく行くもんですから。まさかって思いますけどね。誰か身近にいれば相談できたのかなっていうのをはじめに思いました。」(被害にあった女性)
こうした、デパートの従業員を名乗る電話をきっかけとした特殊詐欺の被害は、今、愛知県内で急増しています。
愛知県警によると、今年に入って、未遂含めて現在340件以上の被害が確認されていて、被害額は1500万円以上となっています。
「大手百貨店を名乗って信頼度が高いのもあってどうしても信用してしまうという心理に陥ってしまっているのではないかと思います。百貨店で不正利用されている」という電話が入るのですが、相談先を犯人側から提示されます。信用できる機関だと紹介を受けるが、電話先も犯人と繋がっているという手口です」(愛知県警生安総務課・国光室長)
去年12月には、同様の手口で名古屋市内の80代の女性が200万円を騙し取られる被害がありました。
松坂屋は「不正利用を伝えることはない 騙されないように注意してください」
松坂屋は注意を呼び掛けている
名古屋のデパート、松坂屋は「お客様に対して、クレジットカードの暗証番号を聞いたり、不正利用されたりしていることを電話で伝えることはないので、騙されないように注意してほしい」とコメントしています。
「警察、百貨店、金融機関、このいずれも電話で暗証番号を聞くことはありません。暗証番号やキャッシュカードといったキーワードが出てきたら、親族などに相談してほしいと思います」(愛知県警生安総務課・国光室長)
出典:Yahooニュース(2021/4/16 メ~テレ(名古屋テレビ))
https://news.yahoo.co.jp/articles/506f90ee795efb67d2061dd70775ca6f56868870?page=2