警察官をかたった特殊詐欺事件で、能登町の70代女性から5850万円をだまし取ったとして、珠洲、金沢中署、石川県警組織犯罪対策課は30日までに、詐欺の疑いで、堺市北区金岡町、無職福重孝浩容疑者(45)=別の詐欺罪で起訴済み=を再逮捕した。県警が摘発した特殊詐欺事件では、過去2番目に多い被害額となる。県警は、男が詐欺グループで現金を受け取る「受け子」とみて調べる。
再逮捕容疑は氏名不詳者と共謀し、昨年2月から同5月1日までの間、警察官などをかたって女性方に「逮捕を免れるために現金が必要だ」などと電話を掛け、7回にわたってそれぞれ500~1200万円を受け取り、計5850万円を詐取した疑い。容疑を認めている。
県警によると、福重容疑者は昨年5~6月の間、氏名不詳者と共謀し、千葉県の80代女性方にうその電話を掛け、能登町の女性方に600万円を送るように指示したとして逮捕された。
能登町の女性は貯金が底をつき、詐欺グループから「裁判を回避するための現金を立て替える」とだまされ、別の事件での現金の送付先として利用されていた。女性は届いた現金のうち200万円を指定された口座に入金、400万円を穴水町内で福重容疑者に手渡した。
県警が昨年6月、特殊詐欺事件の被害金の送付先が石川県内になっているとの情報を得て、捜査を進めていた。
県警が摘発した特殊詐欺事件では、2014年3月に約7400万円をだまし取ったとして、金沢東署が「受け子」の男を逮捕したのが過去最高の被害額となっている。
県警によると、県内で今年1~5月に認知した特殊詐欺の件数は13件、被害総額は計1400万円となっている。昨年1年間は70件の被害を確認し、被害に遭った総額は計3億862万円だった。
警察官や銀行員などを装い、個人宅に電話をかける手口が相次いでおり、県警は在宅時も留守番電話を設定し、金銭やカードの話が出たら通話を切断するよう呼び掛けている。
出典:Yahooニュース(2021/6/30 北國新聞社)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ceeb3a738bb892285657efa93f6d49c246bf4a06