先の大戦に敗れた日本を統治したGHQ(連合国軍総司令部)が接収したとされる巨額資産「M資金」を提供すると偽って、会社役員の70代の男性から現金計約3億円を詐取したとして、詐欺容疑で東京都港区海岸の無職、武藤薫容疑者(66)ら男3人が逮捕された事件で、男性からさらに約28億円をだまし取った疑いが強まったとして、神奈川県警捜査2課が同容疑で、3人を22日にも再逮捕する方針を固めたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、3人は共謀して平成30年ごろ、M資金を原資とする架空の資金提供を受けるための交渉費の名目などで男性から約28億円を詐取した疑いが持たれている。

 関係者によると、男性は大手飲食チェーンのトップで、28億円のほぼ全額を一度に詐取されたとみられることも判明。被害金はすべて個人資金だったという。

 捜査2課は、だまし取ったカネの大半が指示役だった武藤容疑者に流れたとみて調べている。捜査関係者によると、高級マンションの家賃や、海外旅行費のほか、ゲーム開発などを手掛ける会社(東京都港区)の運営資金に充てていたことも新たに分かった。

 捜査2課は、ほかにも、武藤容疑者らが関与したとみられる数十人分の詐欺被害を把握しており、全容解明を進める方針だ。

出典:産経新聞(2020/7/21)
https://www.sankei.com/affairs/news/200721/afr2007210001-n1.html