「はやりの詐欺じゃない?」 女を見かけたご近所の機転

 神奈川県警茅ケ崎署は9日、茅ケ崎市内の80代女性からキャッシュカードと通帳をだまし取ったとして、東京都の自称無職の女(24)を詐欺容疑で逮捕し発表した。被害者宅から女が出てくるのを近所の人が見かけ、「詐欺じゃないの」と尋ねたことが被害に気付くきっかけになった。

 署によると、女は氏名不詳者と共謀し銀行員などを装って女性に電話。「カードを交換する必要がある」などとうそを言い、9日午後1時25分ごろ、女性宅でキャッシュカードと通帳をだまし取った疑いがある。女はすぐ近くのコンビニATMで現金69万円を引き出していたという。

 たまたま被害者宅を訪れた近所の女性が家の前で女とすれ違い、不審に思って経緯を確認。「はやりの特殊詐欺じゃないの?」と尋ね、動揺する被害者のかわりに同1時50分ごろ署に通報。服装などの特徴も伝えた。

 署はすぐに数十人の署員を出し、周辺の防犯カメラで女の姿を確認。同2時半ごろ、茅ケ崎駅で服装が一致する女を見つけた。都心方面行きの電車に乗り込む直前だった。職務質問したところ関与を認め、カバンから現金69万円が見つかったという。

 野沢茂副署長は「特殊詐欺の受け子は逃走すると捜査に時間がかかるが、近所の方の気づきが早期逮捕につながった。今後も積極的な通報を呼びかけていきたい」と話した。(黒田陸離、林知聡)

出典:ハフポスト(2020/11/11)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fab362ac5b6d647a399e270