主に電話を使い、面識のない人にうそを言って現金やキャッシュカードをだまし取る「特殊詐欺」。社会問題となって久しいが、巧みな手口に被害はなかなか減らない。最近も大分県内で被害が相次いでおり、県警は「お金がらみの電話は詐欺。そのような電話は相手にすることなく、家族や警察に相談して」と注意を呼びかけている。
 別府署は10日、別府市の一人暮らしの女性(75)が11月初めにキャッシュカード1枚を詐取された、と発表した。  同署によると、女性宅に、署員をかたる男から「捕まえた犯人の持っていた名簿にあなたの名前がある」と電話があった。数時間後に、女性は家を訪れた警察官をかたる男にキャッシュカード1枚を渡した。女性の口座からは250万円が引き出されたという。
 大分南署は9日、由布市の70代女性が、トラブル解消名目で現金1300万円をだまし取られたと発表した。  同署によると、7月下旬ごろ、女性宅に「詐欺で捕まった人が、あなたの個人情報が載った名簿を持っていた。消すには代わりの会員が必要」などと、男から電話があった。その後、「検察庁局長」をかたる男から、電話で「代わりに会員になった人が、あなたの会員番号を勝手に使って放射能の洗浄機を買った。保釈金を支払えば警察に捕まることはない」などと言われたという。
 女性は8月、由布市内で、現れた男に現金計1300万円を手渡した。「保釈金は戻る」と言われていたが、男から連絡がなかったため、11月9日に同署に相談し、発覚したという。
 県警生活安全企画課によると、今年1~10月(速報値)、相談を含めた特殊詐欺の被害件数は90件、被害総額は約1億8097万円。被害件数、被害額とも前年同期に比べ微減しているが、11月に入り被害が増えているという。
 担当者は「最近は警察官や防犯協会、銀行員をかたり、現金やキャッシュカードを手渡しするケースが多い」と指摘。その上で「キャッシュカードを渡したり、暗証番号を教えたりは絶対にしないでほしい」と話している。(山崎毅朗、倉富竜太)

出典:yahooニュース(2020/11/12)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ff35f889d57948694ceb942df3a8e432bfd8b3c